はじめての人は、はじめまして。
いつもブログを読んでくれている人はありがとうございます。
洗濯ハカセの神崎ですー
セーターやカーディガンなどニット製品全てが洗濯機で洗えるわけではない!
いつかの記事のリライト部分も入ってたりしますが
今からドンドン寒くなっていき、
ニット系の洋服を着る機会があると思うので
あえてこの時期に注意換気しておきたいと思います。
なので、もう一度
動物繊維とレーヨンは要注意です!確実に質感変わって縮みますから!
そういう事になっても後悔しないのであれば
クリーニング出さずに、家で洗っててくださいねって感じですが(笑
ちょっと話変わるんですが、
みなさんご存知のフェルト生地ってどうやって作ってるかご存知ですか?
ウールなどの動物繊維は、ウロコ状のキューティクルで覆われてます。
シャンプーのパンテーンやビダルサスーンのCMで近い映像やイラストをみた事が
あると思います。
水につける事で、そのキューティクルがさらに開き、隣の繊維のキューティクルと絡み合う事で、ギュッと密集しあう事になるわけです。
さらには、洗剤等を使って洗ったり、特にアルカリ性の洗剤を使うと顕著にその効果が現れやすくなります。
挙げ句の果てに、洗剤の中には界面活性剤と呼ばれる脂分を引き剥がす成分がはいってまして、汚れよりも
ウールの中に止まってた、取り除いて欲しくない油分まで落としてます。
なので、繊維自体もより縮む事になり
キューティクルによる縮み。
油分がなくなる事での繊維そのものが細くなる縮み。
Wの効果で縮むのです。
そんな状態で、振動を与えたり、熱を加えて、圧力与えたりしたのが
フェルト生地になっていくわけですが・・・。
あれあれ?
家でウールや動物繊維のセーターやカーディガンを洗濯する事って
フェルト生地作る前半の行動をとってるわけですよね・・・。
それでもウールの洗濯しますか?
ちなみにですが、未だに
「いやいや、エマールなどの洗剤あるし、洗濯機にドライコースがあるから大丈夫」
って思ってます?
そもそも、私たちプロでも
ウール系のニットを水に落とすのは抵抗あって
難しいと思う分類に入ってる
ウール製品の水洗い。
どんなに進化したとはいえ、まだ家庭洗い用の洗濯機で洗えると思ってます?
というか、洗えるんなら
おいら達プロが先に導入してるわ(笑
って事なんです。
そもそも、クリーニングでいう「ドライ」というのは
言うなれば油で洗ってるのです。
皆さんが天ぷらやカツを揚げる時に使うサラダ油やナタネ油などの
油に近いものです。
原料が石油なので、ちょっと違いますが(笑
でも、皆さんが洗濯機で使う、水とは全く違うものだという事は
理解していただけると思います。
油で洗う利点としては、
油汚れを落とすけど、同時に油分を補給しているので余計な油分が抜けにくい。
繊維に与えるダメージが極力少ない。
って利点があるのです。
私たちクリーニング屋が使うドライ溶剤である洗浄液でティッシュを洗った
場合、乾燥して伸ばせば使えるくらい繊維に影響がないのです。
洗濯機で洗ったら見るも無残な状況になるでしょ?
クリーニング屋が扱う本当のドライと、
家庭用洗濯機で扱う水洗いでのドライモード(ただの弱洗)、
それだけ洗いの質が全く違うのです。
なので、洗濯機のドライモードで洗っても
クリーニング屋の洗い方では無いので、フェルト化は起こります。
エマールなどのデリケート洗剤も余分な油分が抜かれた代わりを
補う成分が入ってはいますが、
正直、ウール製品がブランド系の繊維担ってくると
全く効果無いように感じます。
たまに実験するからね・・・・(汗
まだまだだと本当思うよ(笑
とりあえず、今んところとこれからもそうですが
プロでも悩むウール製品の水洗い。
家庭で簡単に形状変化をさせずに洗うってのは無理。
洗う時は自己責任でメーカーに文句も言え無いと思って洗ってくださいね。家で洗って縮むのは当たり前ですから(笑
ついでいうと
ブランド系のウール、カシミア、アンゴラなどなど
ちょっとお高めのウールは特に縮みます。
・・・レーヨンの話全く出て無いけど
レーヨンは半合成繊維だから、某アパレルが家で洗える表示してるけど・・・。
やっぱ家で洗うのは、形状変化率が大きくて微妙・・・。
料金高いのでクリーニングは遠慮したいところはわかるけど
セールで買ったから安かったけど、元値が1万以上する品物は
確実にクリーニング屋に持ってく事をおすすめします。
なぜなら、元値1万以上の品物は、ウール繊維が水に反応して
顕著にフェルト化する事が多いからなのです。
最近、依頼があった品物を見て、まだまだオイラの発信が足り無い。
と思った事はそんな事でした。
洗っていいか迷ったら、おいら達プロにも聞いてね。
ちゃんとお答えするので(笑